2018年9月5日水曜日

CNCの追加工で歯車付きホイールを作る

こんにちは
今回は普段ロボットに使われている歯車について話したいと思います。
DCモータを使ったマイクロマウスを製作したことのある人であれば一度は歯車について悩んだことがあるでしょう。入手性が悪かったり、思い通りの歯数やモジュールがなかったりということがあります。また、ホイールとどうやって接合するかという問題もあります。

歯車付きホイールというものが売っていればいいのですが自分の望むモジュール、歯数、ホイール径、ホイール幅のものが売っていることはまずないです。特にマイクロマウス(旧ハーフマウス)レベルの小型になるとさらに入手困難です。
ですので最近では3Dプリンタでの歯車付きホイールの一体成型を使っている人を多く見ます(私もその一人)。最近のものは精度もよく実際にマウスに使っても全く問題ないレベルです。ですが、やはり切削で作られた既製品の歯車にはかないません。

今回の記事は歯車付きホイールが欲しい!でも特注で作ってもらうにはお金がない...そんな人向けにCNCを使って追加工だけで作ってみよう。というものです。

さて、まず今回私が製作するのは
【M0.3、歯数37、歯厚1mm、ホイール直径10mm、内径1.5mm、ホイール幅3.8mm】
の歯車付きホイールです。3Dデータは以下のような感じです。軽量化のため簡単な肉抜きもしました。






これをCNCの追加工で作るためにまず分厚い歯車を購入します。
M0.3、歯厚5mm、内径1.5mm

購入サイト⇒kkpmo
(購入から到着までは早くて2週間です。私は3週間かかりました。)

分厚い歯車をどんどん削っていくことで好きなサイズの歯車付きホイールを作ります。

まず、CNCでの追加工ということで歯車を設置する場所をPOM材などに掘ります。
(刃先円で数ミリ掘り込み)


次に切削する歯車を先ほど掘った穴にはめ込みます。このあとさらに追加工するので外れないよう両面テープなどで固定します。


XY軸は保存したまま、Z軸の0点を歯車の上部に合わせなおします。そして、ホイール径に合わせて歯の部分を削っていきます。
私はこの時、軽量化のため肉抜きもしました。



以上の工程で完成です。
左が追加工前の歯車で、右が追加工後です。中心穴や歯車は既製品のものなので精度もバッチりです。



しかし、ホイールの部分は使っているCNCの精度によります。今回サークルのCNCで円を掘ったのですが、整備ができてないせいかちゃんとした円を掘ることができませんでした。円柱の材料を切削してきれいに丸が掘れる切削機をお持ちの人はできると思います。(チャックを頑張って旋盤で削るのもあり)

この方法だとひとつ500円ぐらいの歯車の材料費だけで済みます。また、切削時間も30分かからないぐらいで終わるので非常にコスパがいいです。

ということで、以上歯車付きホイールの作り方でした。






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