2025年12月3日水曜日

誰でも作れる、シリコンタイヤ !

 

この記事はマイクロマウス Advent Calendar 2025の3日目の記事です。


昨日は"PIDream.net"さんの「壁センサの線形化」でした。
マイクロマウスにおける壁センサの取り扱いは非常に大事なので、参考になりますね。


さて、この記事は二千年... 若しくは... 二万年後の君へ書いています。 

今回のテーマは「誰でも作れる、シリコンタイヤ !」です。

 

 

ロボトレースの競技に参加していると、テカテカのタイヤを使ってる人が一定数います。
彼らは一体何なんでしょうか?どこでそのタイヤを買ってるのでしょうか?

その謎を探るべく、私はアマゾンの奥地へと向かいました。

 

 

 

はい、タイヤの工学などは正直専門外なので、とりあえず見様見真似で作って走らせます。
とりあえず、以下のものを集めてガチャガチャしたら最低限走るものにはなったので紹介します。
 

~材料 ~
①ホイール    ・・・・・今回、幅12mmのホイールを用意しました
両面テープ   ・・・・・ニチバン 両面テープ ナイスタック (強力) 25mm×9m NW-K25 
スポンジ    ・・・・・イノアック ポロンスポンジロール 1.5t 黒 L32-1.5
セロハンテープ ・・・・・3M スコッチ 透明テープ  12mm×35m
シリコンシート ・・・・・シリコンシート(黒・1枚入) 220mm×320mm

~機材~
ペーパーカッター・・・・・ WORKLION ペーパーカッター 軽量ミニ裁断機





まずは、ご家庭の3Dプリンタでギア付きホイールを印刷します。
0.2mmノズルを使用したら結構きれいに印刷できました。

 
①のホイールに対して、②→③→④→⑤の順に1周ずつ巻き付けていきます。
下の図の左から右へ②~⑤を巻いています。 
ノウハウとしては、④と⑤について貼る方向と剝がす方向そして、その位置を決めています。
(ホイール自体にボールペンでしるしをつけています。)
ここに関しては何度も張り替えてるとコツがつかめると思います。

はい、完成!
テープを巻くだけで完成!思ったより簡単。
④のセロハンテープは⑤のシリコンシートを交換したときに③のスポンジを傷つけない役割があります。これがないとスポンジがボロボロに...

また、この作業を簡易化するために以下のものを使用しています。
⑥のペーパーカッターが界隈では流行ってるみたいです。
いい感じの位置にシリコンシートの切れ端を貼って 毎回同じ幅でカットできるようにしています。私の場合は、幅12mmでカットしています。




カットしたものに対して、斜めに切り込みを入れています。
これに関してはちょうどいい長さで切れるように治具を3Dプリンタで作成しました。
たくさん作る必要があるものだからこそ、1個作成する時間をなるべく短くしたいですね。





はい!、こんな感じで、シリコンタイヤの作り方を紹介しました。この構成で最低限↓の動画の位には探索走行ができています。自分が調べてた時にあまりスポンジの情報などが見当たらなかったので記事にしてみました。ここまで読んでいただきありがとうございます。




明日のAdvent Calendarは"うめ"さんの「角速度FB制御を使ったライントレースの考え方」です。楽しみですね。







2024年12月3日火曜日

デバッグのおすすめネタ

この記事はマイクロマウス Advent Calendar 2024の3日目の記事です。


昨日はアライさんの「釈明会見」でした。
社会人でロボコンを続けるモチベを維持するのもなかなか難しいですよね。。。

さて、1000年ぶりにブログを書きます。
今回は実際に私がデバッグ時に使用しているちょっとした小ネタを紹介します。
大したものではないですが、こういう積み重ねがデバッグ時間の削減につながると思っています。


①磁気コネクタ+ST-Link

STMユーザーなので、ロボットへのプログラム書き込みはST-Linkで行っています。
デバイスとしては「STLINK-V3MODS」を使用しています。

コネクタがtype-Cのものも存在しますが、配線が取り出しにくいのでmicroBコネクタのものを使用しています。これに磁気コネクタを組合わせて以下のような基板を作成しています。

画像では4ピンありますが、3ピンしか使用していません。

 

磁力の引合いで勝手に位置を合わせてくれるので非常に便利です。

 

 

②パソコンとの通信はBluetooth

機体のど真ん中に一番大きい電子部品のBluetoothモジュールが載っています。
私の機体ではUARTを無線通信でしか行うことはできませんが、ケーブルを刺さなくていいので
デバッグ効率は非常にいいです。

 

 

 

③ワンクリックマイコン書き込み

皆さんはマイコンへの書込みの際に、何回マウスのクリックを押しますか?
今回は私が行っている書込み方法を紹介します。

私は下の画像のようにタスクバーの赤矢印のアイコンをクリックするだけでマイコンへの書込みが自動で走るようにしています。タスクバーにアイコンがあることで、わざわざマウスをコーディング中の画面から移動させる必要もないし、何度もボタンを押す必要もありません。その方法について紹介していきます。



STMの場合、以下のようなSTM32CubeProgrammerをGUI的に操作するのがオーソドックスだと思います。



今回はSTM32CubeProgrammerのCLIでの書込み機能を使用します。
ここについてはネットを探せばいくらでもやり方は出てくるのでコードの書き方は省きます。

それでは以下のようなbatファイルを作成します。
(追加で書込み以外の機能も増やしています。)

1行目がターミナルソフトを終了させる命令です。
teratermなど起動していることが多く、邪魔なので毎回強制終了するようにしています。
2,3行目がCLIでのプログラム書き込みコマンドです。
4行目でwindowsからビープ音を鳴らすようにしています。これで書込み終了を知らせます。


次にこのbatファイルをタスクバーから起動します。
やり方は簡単なのでここを参考にしてください。

これで、タスクバーでのワンクリック書き込みが可能となりました。
batファイルを使用しているので機能追加はいろいろ考えられ、汎用性はまだまだあると思っています。


 以上、今回はデバッグのおすすめネタを3選紹介しました。

明日はShachiku Hakaseさんの『マイクロマウスロボットコンテストにおけるロボトレース競技向けのログ保存およびPythonと生成AIで作るログ表示システムの解説』です。
タイトルが長いのでなんかすごそうです!