2017年8月30日水曜日

Fusion360で作ったデータをロボット板金.comで発注

関西大会・金沢草の根大会と大会に出場し、今のクラシックマウスのハードの欠点を知りました。


最大の欠点としましては、
・基板厚が薄すぎる(0.8mm)
・モータマウントの強度がない(DMM 3Dプリント アクリル黒)

以上の欠点により、高速走行中に機体が壁にぶつかると基板がたわみ吸引ファンに接触しました。この原因により過去に5つのファンを壊しました。(ファンの材質は3Dプリント アクリル)
また、マウントがアクリルなため過去に2箇所マウントが割れました。

この欠点を補うべく新しいモータマウントを設計しました。それがこれです。




非常に複雑な形をしています。前作と違うのは材質がA5052Pにしたのと基板とネジとめを4か所から5か所に変更したことです。これで基板がたわみにくくなりファンに干渉しなくなりました。

この複雑なマウントは、「ロボット板金.com」という会社に外注しました。これはアニキさんに教えていただいた会社でアニキさんのブログにも載っております。こういう板金部品の外注は初めてでしたが簡単に発注することができました。

以下に私が発注した流れを書きます。

1.マウントの3Dデータ製作
 fusion360でデータを製作しました。出力形式はSTEPにしました。他にも対応してる形
 式があったと思います。現在はfusion360で板金シートメタルの機能がありますが、私が
 作った時はまだ未実装だったので適当にモデルをまげた感じに作りました。

2.タップ加工をする大きさと場所を指定する仕様書の製作
 私は機械科ではないので製図とは無縁の生活をしており、こういう仕様書のルールは全
 く分かりませんでした。fusion360の機能をつかって貫通穴とタップ切る場所の
 穴の大きさだけ適当に指定して一緒に送りました。今見返すと非常に雑。
 (仕様書はなくてもいいかもしれませんがあったほうが自分の設計通りになると思いま 
 す。)


3.メールにて3Dデータと仕様書をメールにて送信。
 私はこのように指定しました。
  材質 A5052P 
  加工方法 レーザーカット タップ加工 ベンダー加工 染色アルマイト(ゴールド)

 後から部品の個数と板厚も聞かれましたので先に書いておいたほうがいいかもしれませ
 ん。私はt=1.5mmで発注しました。アニキさん曰く1mmだと薄い、1.5mmだと厚いと
 言っていました。ですのでその真ん中ぐらいがちょうどいいでしょう。私の場合は仕様
 の関係で1.5mmでないといけなかったのでこれで発注しました。

4.返信メールが来る
 返信は非常に早く来ました。また、設計がおかしい場所の指摘や組み立てをスムーズに
 するための設計のアドバイスなどもいただき、非常に親切でした。
 また、ベンダー加工をするにあたって設計によっては下の写真のように切り込みを入れ
 なければいけない場合があるようです。
 また、発注データが複雑な場合加工が難しいため形状の検討に時間がかかるみたいで
 す。

5.見積書の受け取り
 こんな感じにやり取りをし見積書が送られています。
 この時、納期がどれくらいか教えてくれます。

6.注文書を送る。
 FAULHABERモータを新光電子に発注する時と同じように注文書を書いて送りました。

7.部品の受け取り
 宅配で部品が送られてきます。私の場合はお盆休みと重なっていたので納期3週間という
 事でした。実際に注文書を送った日からピッタリ3週間目の日に届きました。
 部品が届く前日に会社から明日届きますと電話があり、その時に支払方法についても確
 認がありました。学校の公費でおとすかと聞かれましたが今回は個人なので銀行振り込
 みで決済しました。

8.お金の振り込み
 銀行でお金を振り込み終了

以上の工程により届いた部品がこちらとなります。
金のアルマイト加工がされておりとてもキラキラしてます。


精度に関しては期待以上のできでとても満足しております。また、何よりアルマイト加工がとても鮮やかでこれだけでも発注したかいがありました。板厚も1.5mmにしたのでほぼ曲がりません。今後基板がたわんだりファンが割れることはないでしょう。
気になるのは重さですがだいたい5.3g程でした。前作のアクリルのマウントに比べて2g重くなりましたが全然許容範囲内で予想よりも軽かったです。厚みを薄くすればさらに軽くなると思います。

このマウントをつけたらこんな感じになりました。ファンの新しく削りなおしました。


名前が「黒椿」だったけど黒要素がかすんでしまったため名前負けしている。どうしよう...





おまけ
先ほどこのマウントは基板と5か所でねじ止めしていると書きましたが5か所目はここです。

実はこれ基板のもともとの設計には穴が開いていませんでした。基板データを見てみるとこのネジの場所にはLEDがのっています。


隣の配線が切れないように小さなドリルで少しづつ穴をあけました。もう2度とこんな作業はしたくありません。そしてLEDが1個使えなくなりました。